きちょうめん

北尾石材

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きちょうめん

石屋のないしょ話

2022/06/30 きちょうめん

 

 

「きちょうめん」な性格、「きちょうめん」な人などとこの言葉は現在でも日常的によく使われています。

漢字で書けば「几帳面」ですが、あまりにも身近な言葉すぎて、「几帳面」という意味ありげな漢字を深く考えたことなどなかった人も多いのではないでしょうか?

 

意外にも「几帳面」は、古めかしい言葉です。その意味あいは文字通り「几帳」の面をさします。まずは「几帳」とは何かです。

「几帳」は、平安時代の衝立てといえばいいでしょうか。源氏物語絵巻などで、十二単のお姫様のそばに描かれています。美しい絹織り布を垂らした間仕切りのような、移動式カーテンともいえる室内調度品です。平安時代の貴婦人はいつもそばに「几帳」を立て、自分の姿を外から直接見られないようにしていました。華やかな「几帳」のかげに女性がいる、そのことだけで「几帳」は存分になまめかしさを漂わせていたのでした。

 

そのためか「几帳」はその造りも仕上げもすこぶる入念なものでした。平安時代にすでにこんな職人技が発揮されていたのです。「几帳」は台木の上にT字型の細い柱を組み、そこに絹布を垂らす構造です。その柱の仕上げに、普通なら角にカンナをあてて削るだけのところを、撫角といって角を円くし、その両側に段と呼ばれる切れ目をつけました。すなわちこれが「几帳面」です。この細工は面が正確に削られていないとできないところから、「几帳面をとる」といえば、このように面を正確に仕上げることをさすようになりました。

すべては女性を優美になまめかしく演出するための手技だったのです。また、絹織り布といえば当時は貴重なものです。面をなめらかに仕上げなければ、風で揺らぐたびに絹が柱にふれて傷んでしまいます。デリケートな絹が「几帳面」さを要求したともいえます。

 

当初は面をさす言葉だった「几帳面」が、やがてはきちんとした性格をさすようになったのです。

 

ご参考までに・・・。

 

 

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