石屋のないしょ話 vol.111

新聞に載っていた記事によると、今年の紅葉は例年になく綺麗に色付くのだそうですが、皆さんはどこに紅葉狩りにお出かけしますか? 今月は、京都の紅葉狩りスポットの一つ真如堂のお隣にある、金戒光明寺にある「江」のお墓についてお話します。
浅井長政と、織田信長の妹・お市の間に三女として産まれ、政略的な三度の結婚や近親者の討ち死になど、時代の波に翻弄される生涯を送った江ですが、徳川二代将軍秀忠の正室となり七人の子供をもうけた後も、次男・家光の乳母で家光を将軍を継がせたい春日局と、三男の忠長を将軍に就けたい自らの思いの対立に悩まされました。 二人の確執は現代の小説などの題材にしばしば取り上げられるほど有名ですが、その人物像を伝える資料は以外にも少ないのだそうです。
江戸城で没した江の墓は、東京の芝にある増上寺の徳川家墓所にあり、発掘調査で遺骨も確認されています。 一方、徳川家と縁の深い浄土宗の大本山である金戒光明寺には、春日局が江の菩提を弔うために建てたという供養塔があり、江の遺髪が納められていると伝わっています。 世継ぎ争いの敵であった江の墓を建てたのは一種のパフォーマンスとも考えられますが、後日作り上げられたイメージの外側に、二人の本当の深い関係があったのかもしれません。
金戒光明寺の 江のお墓にお参りすることがあれば、石段を三重塔まで登ってみて下さい。 小高い丘で見晴らしが良く、幕末に京都守護職の本陣がこのお寺に置かれた理由に頷くことでしょう。 今も広大な墓地から京都市街の眺望が楽しめます。
石屋のないしょ話でした・・・。