石屋のないしょ話 vol.160

皆さんは、モルガンお雪をご存知ですか? 今月はパリの社交界に咲いた京女 モルガンお雪についてお話します。 1951(昭和26)年、日本初のミュージカル『モルガンお雪』が越路吹雪主演で上演されました。 その後も、小説や舞台にたびたび取り上げられ、人々を惹きつけるのは、モルガンお雪が芸妓から富豪夫人への華やかな転身が羨望や嫉妬の的であるのと同時に、その人生が女性の哀しみを孕んでいるからかもしれません。

明治末期の祗園。 アメリカ人富豪のジョージ・モルガンから求婚された芸妓お雪は、結婚を約束した京大生の恋人がいたことからそれを拒みました。 しかし恋人は他の女性を選んで破局。 求婚を拒否するため提示した4万円という莫大な落籍料をモルガンが受け入れ、望まぬ結婚が決まったのです。 珍しい国際結婚に世間は「金目当て」と揶揄し、フランスに渡り社交界で華々しい生活を送っていましたが、夫の死により約10年で結婚生活は幕を閉じました。 莫大な遺産を相続しフランスに留まっていましたが、世界情勢の緊迫から1938(昭和13)年、58才で帰国。 まさに波乱万丈の人生ですが、晩年は京都で慎ましい生活を送ったといわれています。 紫野で81年の生涯を閉じ、同聚院の加藤家(実家)の墓でようやく安息を得たお雪。 お雪とモルガンが結婚した1月20日は「玉の輿の日」とも言われていますが、お雪は天上からどう見ていることでしょう。
石屋のないしょ話でした・・・。