石屋のないしょ話 vol.31

先月は京都の商家の豆まきについてお話しました。 今月は商家のお朔日おついたち(一日)のおかずについてお話します。 
商家にとってお朔日というのは、一般の方の元旦と同じくらいの思い入れがあり、今月もお朔日を迎えられたという喜びと、またこの一ヶ月うまく商売ができるようにと願いを込める大切な日なのです。 この日商家では、豆に働けるようにと豆ごはん・「あらい・め」(仕入れ値と売り値の差が大きく、利益があがること)がでるようにあらめを食べる風習があります。 ちなみにこのあらめを炊いた時に出る黒い煮汁をまく風習もあります。 これはお客様におみえいただく門口に「あらい・め」がでるように、商売繁盛を願ってまくのです。
また、きわの日(月末)のことは「晦つごもり」(十二月三十一日は大晦おおつごもり)と言い、特に忙しい日なので、すぐに食べられるおからを煎る風習があります。 おからは炊くとは言わず煎るというため、「日銭が入る」にかけ、うまく集金できるように験をかつぐのです。 おからを「きらず」というところから、「お金がきれないように」ともいわれています。 このように京都の商家では月初めや月末を大切に考え、食べるものを決める風習があります。 しかし商家にかぎらず、一年を通じて食べる日が決まっているものもたくさんあります。 一月七日には七草粥・一月十五日の小豆粥・二月節分のいわし・六月三十日の水無月・七月土用のうなぎ・八月お盆の精進料理・九月お月見のお芋・十二月八日の針供養のこんにゃく・十二月二十二日冬至のかぼちゃなど、その日に食べる云われがあります。 二月のいわしと六月の水無月については、「石屋のないしょ話」vol.23とvol30でお話していますので、ご覧下さい。 
石屋のないしょ話でした・・・。