石屋のないしょ話 vol.35

今月の14〜16日は、京都市内の各山鉾町で祇園祭の宵山が行われ、17日には山鉾が巡行します。 今月は京都の三大祭りの一つである祇園祭についてお話します。
祇園祭といえば、今では動く文化財とか動く芸術品と言われ、何となく観光ショー化してしまった部分もありますが、もともとは平安建都後、京の都に大流行した疫病を追い払うために、町衆が寄り集まって知恵を出し合い、自分たちの為に自分たちの力で作り上げた祭り(神事)なのです。 それから千有余年、今なおこの祇園祭に携わっている町衆の心意気というものが感じられ、そこに、この祭りを現代まで受け継ぐことができた大きな要因があるように思います。
数年前の話ですが、山鉾巡行の道である御池通りでは、地下鉄の工事が行われていた為、御池通りは巡行できないのではないかと思われていました。 しかし、前日まで路上にあった全ての物を取り除き、無事に山鉾は通過できたのです。 山鉾を通す為だけに、わざわざ工事の物を取り除くなんてと思われる方もいらっしゃるでしょうが、それほど京都の人々にとって祇園祭は特別なものなのです。 ちなみに、山鉾巡行の順番を決める為に、毎年京都市の市議会議場に紋付姿の鉾町の代表が集まり、くじ取り式が行われます。 そして巡行当日、京都市長が当時の装束に身をかため、そのくじを改める大役(奉行の役)を演じます。 
祇園祭ほど長い期間にわたって無駄の限りをつくした祭りはないと言われていますが、その無駄の中から、人々とのふれあいを・心のゆとりを生んできたのです。 山鉾をただ見上げて眺めるだけでなく、こうした鉾町の町衆の思いや、京都の人たちの祇園祭に対する思いに心を合わせてみると、また少し違った思いで山鉾を見ることができるのではないでしょうか・・・?
石屋のないしょ話でした・・・。