石屋のないしょ話 vol.39

最近は、公共の場などで他人の迷惑を顧みない行動をする人達が多いように思います。 今月は、京都の「しつけ」についてお話します。
京都では、親が子供を叱る時に「○○さんに怒られるからやめときなさい」という言葉をよく使います。 これは、地方の人には責任転嫁しているように聞こえるらしいのですが、そうではありません。 本当は、人様に迷惑がかかるからいけないという意味で使われる、強い叱りの言葉なのです。 例えば、他のお家で子供が走り回ってる場合、「○○さんが怒られるからやめなさい」と言うのですが、子供が走り回ること自体が悪いと言っているのではなく、走り回ることで人様に迷惑をかけることになるからいけないと、しつけているのです。 親子で買い物に行って、店内で子供が商品を触ろうとした場合でも、「お店の人に怒られるからやめなさい」と叱ります。 子供もこう怒られることで、感覚的にお店に迷惑がかかるのだということを理解するようになるのです。 
万が一、子供が触ったことで商品が破損したような場合、子供の対して「誤りなさい」と強く叱る方もおられるでしょうが、京都の親は子供に謝らせる前に、まず親がきちんと謝るのです。その方が人様に対するより深い謝罪だと思っていますし、子供も真剣に謝罪する親の姿を見て、本当に深く反省するようになるのです。 親は親、子供は子供といった考え方ではありませんので、現代的ではないかもしれませんが、これが京都のしつけなのです。 
京都の町は、人様の目を意識したり、意識させることで、どういうことが人様の迷惑になり、何が人として恥ずかしいことなのかを自然と覚えられるように子供をしつけてきました。 この言葉は、子育ての一つの知恵ともいえますが、こんなところから、京都の子供達は京都人としての素地をしっかりと身につけていくのです。
石屋のないしょ話でした・・・。