石屋のないしょ話 vol.64

近年では、大掃除といえば大晦日前の行事ですが、かつてはすす払い」といって、十二月十三日に行われていました。 今月は、「すす払い」についてお話します。
「すす払い」は、お正月の歳神を迎えるにあたり、一年分の家の汚れを落とし、その年の厄を祓うためにします。 戦前までは、この日には仕事を休んで一日がかりで大掃除が行われていました。 十二月十三日に「すす払い」が行われるようになったのは、江戸城の煤払いが毎年この日だったため、庶民もこれにならったからだと言われています。  
ただしお正月までにまだ日があるので、近年はこの日は神棚や仏壇などを掃除するにとどめ、家中の大掃除は暮れが近づいてきてから行うようになりました。 また、この日は「正月事始め」といって、正月準備を始める日とされ、門松用の松を野山に採りに行く「松迎え※1」なども行われます。 
寺社では、現代でも毎年この日を「すす払い」の日としています。 手拭いなどで頭・顔を覆った修行僧らが、昔ながらの「すす梵天※2」や笹の束などを使って仏像や堂内の汚れを払ったり、お堂の畳を叩いてホコリを追い出したりする光景が見られます。
※1 松迎え・・・山村で門松や正月用の様々な木を切り出しに行くこと。 松に限らず、榊や椎・ゆずり葉・裏白など正月飾りに用いる草木を採りに行く。
※2 すす梵天・・・竹竿の先に藁をくくりつけたすす払い用の道具。 使用後も捨てずに注連縄をはって祀っておき、左義長のときに燃やす。
石屋のないしょ話でした・・・。