石屋のないしょ話 vol.66

旧暦二月の最初の午の日は「初午」といい、稲荷神社の祭礼が行われます。 今月は「初午」についてお話します。
七一一(和堂四)年の初午の日に、稲荷神社の本社である伏見稲荷の祭神が、馬に乗って伊奈利いなり山に降臨したとされることから、祭りが行われるようになりました。 そもそも稲荷とは、五穀を司る神様の総称で「稲生りいねなり」に由来すると言われます。 その主祭神である宇迦之御魂神うかのみたまのかみは、食物の神または農耕の神として知られています。
農村ではこの時期、春の耕作に際して、田の神を山から迎えるという風習がありました。 稲荷神が稲作の神様だということもあり、この風習と稲荷神社の祭礼が合わさり、農村では初午の日に神様に供え物をし、豊作を祈ったのです。 この稲荷祭りでは、お神酒や赤飯と一緒に油揚げをお供えするところが多いのですが、それは油揚げがキツネの好物だからです。 
稲荷神社では、狛犬の代わりにキツネの像が置かれているのをよく見かけます。 これは、キツネが田の神である稲荷神の使いであるという俗信に由来するものです。 キツネそのものが、稲荷神であるかのように言われることもありますが、これは誤解です。
石屋のないしょ話でした・・・。