石屋のないしょ話 vol.67

三月三日は、皆さんご存知の雛祭りです。 今月は「雛祭り」についてお話します。
三月三日の雛祭りは上巳じょうしの節句と呼ばれ、一月七日(人日)・五月五日(端午)・七月七日(七夕)・九月九日(重陽)と合わせて五節句の一つに数えられる節句です。 かつて旧暦の三月三日に行われていた頃は、ちょうど桃の咲く季節だったことから「桃の節句」とも呼ばれます。
そもそも旧暦の三月は、その年の農事を始める直前にあたり、上巳の節句は禊みそぎの意味がありました。 古代中国では、上巳の日に水辺で香草を身体に塗り、穢れを祓って身を清めるという風習がありました。 これが日本に伝わり、上巳の日に紙で作った人形で身体を撫でて身の穢れを移し、それを川に流して身を清めるという禊の行事となったのです。 これに、平安時代に公家の女子の間で広まった雛遊びというままごとのような人形遊びが結びついて雛飾りに変化したとされています。  
現在のように、三月三日に雛人形を飾り、女の子の成長を願うという風習が定着したのは、江戸時代になってからのことです。 ちなみに・・・当初、雛人形は紙や粘土で作られていましたが、嫁入り道具でもあった雛人形は、しだいに良縁を願って飾られるようになり、徐々に華美になっていきました。 元禄時代にはすでに段飾りが登場し、雛人形が豪華になると流し雛の風習はなくなっていき、現在のような飾り雛が定着するようになりました。 ただし、地方によっては現在でも「流し雛」を行うところもあります。 これは人形を流して穢れも流すという、昔ながらの風習の名残と考えられます。
石屋のないしょ話でした・・・。