石屋のないしょ話 vol.178

今月は、お土産やお中元・お歳暮など人様に物を渡すときの常套句「つまらないものですが」についてお話します。

なぜこんな言い方をするのかについて、思想家で教育家でもあった新渡戸稲造が『武士道』の中で次のようjなことを述べています。

贈り物を選ぶときは、誰しも何を贈れば相手に喜んでもらえるか、一生懸命考えます。 「きっと気に入ってもらえる」と思って贈るのだが、いざ渡そうとすると、相手があまりにも素晴らしい人なので品物がつまらなく見えてしまう。  そこから「つまらないものですが」という言葉が出てくるというのです。 

要は「あなたの素晴らしさに比べると、こんなものはつまらなく見えますが」という意味であり、相手を讃えるために品物をへりくだらせているわけです。

そう考えれば「つまらないものですが」と言って贈るとき、申し訳なさそうに贈る必要はありません。 相手に対する敬意を込めて堂々と贈ればいいのです。 贈られた方もつまらないものを贈られたのではなく、相手から十分な敬意を払われたと考えればいいのです。


石屋のないしょ話でした・・・。