仏事Q&A
其の百四十六


Q. 「大欲得清浄だいよくとくせいせい」って、どういう意味ですか?

A. 仏教では、欲のあることは悪いことであるように思われがちですが、それは誤解です。 欲自体は純粋なものです。 悪いのは、欲にこだわることなのです。 例えば、異性を好きになったとします。 異性を好きになること自体は、自然の行為であり善でも悪でもありません。 それは純粋な思いであり、清浄なものです。 ただ、そのあとが問題なのです。
異性を好きになると、その異性に対し独占欲が出てきます。 それが満たされないと悩みが生まれ、満たされれば失うことを恐れます。 こうして、最初の純粋な欲は苦しみを生む悪い欲へと変貌していくのです。 これを避けるため「欲を制御しなさい」と説くのです。 
しかし、欲は簡単には制御できません。 人を好きになる、人に好かれたい、大金が欲しい、有名になりたい、楽な暮らしがしたい、、、などと思うことは、自然な気持ちなのですから。 ならば、その欲を大きくしてしまったらどうでしょうか? 全人類を好きになり、全人類に好かれ、世界一の金持ちを目指し、世界的な有名人を望み、世界一安楽を求める。 小さな欲ではなく、大きな欲を持つのです。 そして、その実現のために努力をするのです。 大欲は清浄を生みます。 これが密教の経典「理趣経」に説く「大欲得清浄」です。 一人に好かれるのではなく、全人類に好かれることを望む。 全生徒に好かれる先生を目指す。 全人類を導けるような政治家を目指す。 誰もが美味しいと言ってくれる料理人を目指す。 
大きな欲を持てば、自然に自分自身を根底から変えることができるのです。 我欲にこだわらず、大きな欲を持ちましょう。
ご参考までに・・・。