仏事Q&A
其の二十


Q. 花まつりって何ですか?

A. 4月8日、寺院では春の花をいっぱい飾り付けた小さな花御堂の中に浴仏盆とよばれる水盤を置き、その中央に誕生仏を安置して竹の柄杓で甘茶をかけてお参りする光景が見られます。 これが「花まつり」で、お釈迦様のお誕生をお祝いする行事なのです。 本来は仏生会・灌仏会・降誕会・竜華会などと言われており、「花まつり」と呼ばれるようになったのは明治45年からです。 
お釈迦様はインドのカピラ城(現ネパール領)の執政官浄飯王と摩耶夫人の間にお生まれになりました。 お二人はなかなか子供に恵まれなかったのですが、摩耶夫人が夢で白象が胎内に入るのを見て懐妊しました。そして誕生されたのがゴーダマ・シッダールダ、お釈迦様でした。 紀元前463年のことです。
伝えによると摩耶夫人が爛漫と咲いている無憂樹の枝に手を差し伸べた時、右腋下からお釈迦様が誕生し、東西南北四方にそれぞれ七歩歩まれて、右手を上に左手で地をさして「天上天下唯我独尊・三界皆苦我当救之」と言われたといいます。 この時の姿を像にしたのが花御堂におかざりする誕生仏です。 七歩歩まれたというのは、迷いの世界である六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)を越えられたということを象徴的に表現しているとともに、七という数字は永遠を表わす意味があるといわれていますから、七歩歩むということはお釈迦様が人々の苦しみを救うために永遠に歩み続けるということを示しているわけです。 またこの時に九竜が産湯がわりに香水を天より降らしたということにちなんで、甘茶を誕生仏に注ぐわけで、ここから「灌仏会」という名称もおこっています。
「天上天下唯我独尊」の言葉は、人々の苦しみを救う者としての表明です。 また白象に乗って摩耶夫人の胎内に入ったという夢にちなんで、花まつりのとき白象が登場するわけですが、象はインドでは高貴な人の乗り物で、白は最上・最善の意味がありますから、最も優れた人ということを白象という表現で示しているのです。 お釈迦様のお誕生というおめでたい出来事の陰になっていますが、悲しいことに実母の摩耶夫人は七日目に亡くなられました。 生母に死別したことがお釈迦様が長ずるに及んで、心の中に大きな疑問・問題をなげかけました。 母への思慕から人間の「死」という事が常に青年釈尊の心をとらえ、やがて生・老・病・死という人生の根本苦を解決するために、お釈迦様は出家されます。 母の死という悲しい事実を踏み台として、そこを足場に大きく飛躍されたわけで、絶対的な悲しみ、絶対的な楽しみというものはないと仏教で説く所以です。
ご参考までに・・・。