仏事Q&A
其の二十四


Q. なぜお彼岸にぼた餅をつくるのですか?

A. 春のお彼岸は牡丹餅といって餅米と粳米を混ぜて粗くついた餅に餡をつけたものをさし、秋のお彼岸は餅米をたいたものを丸めて黄粉をまびしたものをおはぎというので、春の牡丹と秋の萩の花にちなんでそれぞれそのように呼んでいるという説もありますが、本当のところは分かりません。 日蓮上人が文永八年竜ノ口法難に遭い、鎌倉の大路をひき立てられていくとき、桟敷の尼がとるものもとりあえず、飯を丸めて手近にあった胡麻をまぶして聖人に献じたという伝説があり、今日これを「首つなぎのぼた餅」といって九月十二日の竜ノ口法難会のときにはそれぞれお仏壇にお供えする慣わしになっていますが、ぼた餅もおはぎも別のものではなく、一つのものの呼び名です。 
古く鎌倉時代には「かい餅」といって、お米の粉や麦・粟の粉を水でこねてお餅のようになるまで煮たものが一般に食べられていました。 「徒然草」に北条時頼公が鶴岡八幡宮のお参りのついでに足利義氏の邸に立ち寄ったとき、「一献は打鮑、二献は蝦、三献はかい餅にて止みぬ」とその応接ぶりが書かれていますが、その質素さは驚くほどです。
そのときの「かい餅」は今のそばがきのようなものであったとも受け取れるのですが、この「かい餅」の「かきねり餅」の手法が餅米を粗くつき丸めたぼた餅に伝えられているわけで、いつ頃から「かい餅」から「ぼた餅」になったのかは分かりません。 今と違って砂糖などが貴重品の時代には、ぼた餅は特別のご馳走だったわけです。
今の恵まれすぎた時代で本当の有り難さを忘れかけているときに、今一度昔の人々がお彼岸に仏さまやご先祖さまにお供えした心をよく考えて、反省の機会にしたいものです。
ご参考までに・・・。