仏事Q&A
其の三十九


Q. 仏壇の向きはどの方角がいいのですか?

A. お仏壇は大切で神聖な場所ですから、できれば人の出入りが激しくないところで、なおかつ家の中心となるようなところに安置するのが理想的です。 お仏壇の向きについても住宅事情がありますので、必ずこの方角でなければいけないということはできませんが、できるなら南向きあるいは西向きがよいと思います。 南向きというのは中国からの伝統で、皇帝は北を背にして政事を行うという風習に由来するもので、宮殿やお堂など南に向いて建てられている例が多いのはこれにしたがっているからなのです。 (中国では、天の中心は北斗七星のある北の方であるという考え方があります。 国を治める天子は「天の子」ですから天の中心である北を背にして南に向いて政事を行うのです。)
釈尊が霊鷲山で法華経をお説きになられたとき、宝塔があらわれてきて、その宝塔の中の多宝如来が「いま釈迦牟尼世尊が説かれていることは真実である」と証明され、多宝如来が自ら座っていた座をあけて釈迦牟尼世尊を招じて共に座られました。 この二仏が座しておられる姿をうつしたのが、日蓮宗のご本尊の一つの型である「一塔両尊」像です。
ここに証明のために湧出した多宝如来は、東方宝浄世界の教主で、釈迦牟尼如来が娑婆世界の霊山で法華経をお説きになっておられることを知って、真実の証明のために娑婆世界の霊鷲山のところに湧出したわけですから、この宝塔は東方に湧出したということになり、釈迦・多宝如来は東方を背にして西を向いて座しておられるわけです。 このことから、お仏壇は「多宝仏の宝塔の内」と同じですから、私たちもご本尊を拝するとき、お仏壇の向きは東を背にして西向きというのが望ましいということになります。 一般的には南向きか東向きということを耳にされると思いますが、これは浄土宗や浄土真宗など、浄土教系の宗旨の説明です。 浄土教は、西方十万億国土のかなたにある極楽浄土の教主阿弥陀如来を本尊とし、称名念仏を唱えることによって西方極楽浄土に往って生まれることを願うわけですから、西方に向かって拝むのが自然の感情です。
大阪四天王寺の西門は、昔から西方極楽浄土の東門に通じるということで、彼岸会のときにはこの西門のかなたに沈む夕日を拝む群衆で埋まったといわれていました。 仏壇のご本尊を通して西方極楽浄土の阿弥陀如来を拝むということから、特に浄土系の宗旨では仏壇は西を背にした東向きがよいといわれるようになりました。 一般的にこう言われているからというのではなく、教義に基づいてみていくとよいと思います。
ご参考までに・・・。