仏事Q&A
其の八十九


Q. ご遺体にかけるのは、普通の着物ではいけないのですか

A. 看病の甲斐もなく亡くなられた方の遺骸を、悲しみのうちにも遺族や親戚などの身内の人々が集まって、湯水で清め(湯灌)、用意した白衣を着せてあげます。 この白衣を経帷子とか、無常衣とか浄衣・行衣といっています。 この衣は、身近な女性たちが幾人かで白木綿あるいは麻布をハサミを使わずに切り、引っ張りあって同時に縫います。 あるいは、手甲・脚絆などは片方ずつ別の人が縫って、糸尻は留めないでおくという風習があります。 
この白衣を死装束ともよんでいますが、霊山浄土への死の旅立ちの装束でお坊様の姿になぞらえているのです。いずれ死ななければならない身です。 お互いに生前からその用意をしておきたいものです。 こう申し上げると、縁起でもないと怒られる方もいらっしゃいましょうが・・・。 
お釈迦様・お祖師様・一切の諸仏菩薩様方や、ご先祖様方がおられる場所にいく時に、せめて服装ぐらいは自分できちんと誂えたものを着ていったならば、少しは恥ずかしい思いをしなくてもすむのではないかと思います。 各菩提寺のお上人に白衣(行衣)にお曼茶羅を書いていただくのもいいですし、あるいはお願いするとできているものを取り寄せていただけます。 これをご霊蹟のときなどに着ていって、朱印や法印をいただいておくとよいと思います。 これまで述べてきましたように白衣の行衣がもっとも好ましい服装ですが、生前好んでいた着物など着せてあげたいのは人情です。 着せてあげても差し支えありませんが、その時は、上に覆うようにして白衣をかけてあげて下さい。 なお念のため申しますと、着物や白衣を着せてあげる時は左前にして着せますが、この白衣は真宗では用いません。
ご参考までに・・・。