石のおはなし vol.12

大理石について

装飾や造形に適した大理石は、一般に直径0.3ミリメートル前後の等粒状の方解石がよくかみあっていて緻密で均一です。 光をある程度透過させ、内部では方解石の劈開面などで反射を繰り返し、入った光の一部を再び出す性質があります。 また、彫刻に適した硬度と粘りを持ち、研磨によって表面に滑らかさと光沢を与えることもできます。 日本での大理石の利用は、奈良時代の薬師寺の仏壇や、法隆寺の仏像の台座が最も古いといわれています。 本格的な建築用大理石の加工利用は大正に入ってからで、ヨーロッパからの原石の輸入も始まりました。 その後、第二次大戦後の復興と経済成長によって、建築内装の需要は急増し、ほとんどを輸入でまかなっています。 主な輸入先はイタリアをはじめ、ギリシャ・フィリピン・台湾・アメリカ・中国などです。
大理石には様々な種類があります。 多くは多少変成作用を受けていて、原岩の石灰岩がほぼ純粋な炭酸カルシウムからできている場合には、方解石だけが集まった純白の大理石が形成されますが、普通は少量の他の成分が含まれていて、炭質物(黒色)・酸化鉄鋼物(赤褐色)・緑泥石(緑色)などのために着色したり、方解石自身が色を帯びている場合もあるため、様々な模様や色を持った大理石になっています。
もっとも有名なイタリアのカラーラ産の白大理石は、白地に淡青灰色のすじや斑点が入ったものが多く、世界中の建築内装材に用いられています。 カラーラ産の次に有名な白大理石は、ギリシャのアテネの近くで産出し、パルテノン神殿にも用いられたもので、白地に淡灰ないし淡緑色の縞が入っています。 模様のある大理石で古来珍重されているのは、イタリアでブレッチア、日本では更紗と呼ばれている網目模様の礫岩状大理石です。 更紗模様の大理石には、黒更紗といって灰黒色の角礫を多く含み、礫や基質にフズリナなどの化石を含むものも産出します。 
最近好まれる模様のある大理石は縞模様の石で、平行縞と細孔をもったトラバーチンと呼ばれるクリーム色の石は、温泉・鉱泉などに溶け込んでいた炭酸石灰の無機質な沈殿によってできたもので、世界的に内装用として用いられています。 オニックスと呼ばれる科学的沈殿でできた縞状半透明の石もありますが、大理石としては最も高価なため、建築利用は稀で主にテーブル・花瓶などの工芸品に用いられます。