石屋のないしょ話 vol.9

今年は例年に比べて黄砂が少ないという記事が、先日新聞に掲載されていました。 今月は砂漠からやって来る黄砂についてお話します。 
「飛砂走石・天昏地暗・伸手不見五指」とは、ゴビ砂漠の黄塵万丈の世界を述べたものです。 砂嵐によって巻き上げられた砂は、偏西風に乗って東に移動します。 人工衛星からは太平洋上空を数千kmも移動しているのが見えることもあり、北アメリカ大陸にまで届くそうです。 春の黄砂は、中国の砂漠から吹き上げられ、西風に乗って運ばれてきた砂ぼこりが原因です。 
日本上空にきた黄砂はそのまま素通りするのではなく、重いものから次第に地上に落下し、雨や雪の核となって地上に落ちてきます。 春先の雨の後、車の屋根や窓につく汚れや、時折積もる「赤雪」と呼ばれる色のついた雪を調べてみると、黄砂に由来する粒子が多く含まれています。 「赤雪」はヨーロッパ各地でも見られますが、これはサハラ砂漠から「ハルマッタン」と呼ばれる強風に乗って地中海を越えて飛んできた砂ぼこりが雪の核になっています。 サハラの砂ぼこりは大西洋を越えて、西インド諸島や南北アメリカ大陸にまで届きます。    
もう一つの空から降ってくる「土」火山灰が日本では黄砂に比べて多いため、黄砂はあまり調べられていませんでした。 しかし最近の研究で黄砂も無視できないほど積もっていることが解ってきました。 日本に達する黄砂は数ミクロン〜数十ミクロンですが、長い年月の間に降り積もると、3メートルに達するところもあります。 黄砂の影響の大きい土壌は中国に近い西南日本以外にも各地に見られ、東北・北陸地方では雪の多い所に厚く堆積しています。 
黄砂の日本への降下量は場所によって違いますが、10万〜1万年前の最終氷河期には1平方メートルあたり1000年19〜32kg、氷期後の1万年前からは1000年で5〜10kgと推定されています。 土1立方cmあたりの重さを1.4gとすると、この10万年に1平方メートルあたり2〜3トン、厚さにして130〜214cm、最近の1万年では0.5からトン、4〜7cmの黄砂が積もったことになります。 この殆んどは中国の黄土地帯から運ばれてきたものです。 
石屋のないしょ話でした・・・。