石屋のないしょ話 vol.11

もう少し続きそうな梅雨ですが、これが明けると夏本番です! 今月は梅雨時の雨上がりに咲く紫陽花(アジサイ)の色が何故変わるのかについてお話します。
一つの木に咲き始めの白から青、終わり頃の赤紫と様々な色の花(がく片)を楽しませてくれる紫陽花ですが、海岸地方などでは花が青くならないものもあります。 このような花には青い花よりアルミニウムが少ないことが五十年以上も前から判っていましたが、最近になって色素(アントシアン)とある種の有機物質にアルミニウムが加わって安定した青い色が出ることが証明されました。 アルミニウムが少なくてpHが高い砂質土壌では、アルミニウムを吸収できないために青い花をつけられないのです。
植物の色は環境によって変化します。 カシの葉は干ばつにあうと赤く色づき、海岸に生えるマングローブに葉は塩分が濃いと塩を吹き出して白くなります。 重金属汚染地ではイネの葉が黄色くなり、大豆の茎には赤い斑点が出るなど、植物はそれぞれの表現方法で、私たちに土壌や自然からのメッセージ(苦しみ)を伝えています。 
植物の生育には窒素・リン・カリウムの他にカルシウム・マグネシウム・イオウ・塩素・鉄・マンガン・ホウ素・亜鉛・銅・モリブデンなどが必要です。 これらの元素がバランス良く供給されないと、植物は何らかの症状を示します。 例えばトマトは窒素や鉄の不足で葉が黄色く、リン不足では葉の裏が赤く、カルシウム不足では果実の先が黒くなります。 このような症状は元素ごと、植物ごとに違うので、専門家たちは作物を見ただけで土壌に何が足りず、何が多すぎるのか判るのです。 
経験に頼っていた作物の栄養診断技術も最近では体系化されつつあり、また肉眼では見えない変化も機械の目を通して観察できるようになってきました。 その範囲は細胞から個体・群落・さら人工衛星を使った地球レベルのものにまで広がっています。 しかし人の気持ちを機械で測れないように、愛情をもって接しなければ植物の気持ちは解らないにではないでしょうか?
石屋のないしょ話でした・・・。