石屋のないしょ話 vol.119

最近メールばかりで、手紙を書くことがなくなった方も多いのではないでしょうか? 今月は手紙のお作法についてお話します。 
短い手紙に白紙の便箋が添えられていることがあります。 差出人がうっかり余分に入れたのかと誤解する人もありそうですが、そうではありません。 手紙が便箋一枚で終わった時には、白紙の便箋を添えるのがお作法なのです。 
このようなお作法ができた理由をめぐってはいくつかの説があります。 一つは、手紙は本来、便箋二枚以上使って書くものだからという説です。 一枚で用件を書き終えても「本来なら二枚書かなければならないのですが」というお詫びの意味を込めて、白紙の一枚を添えるというものです。 
もう一つは、白紙自体に意味があるとする説です。 かつて文面に相手の名を書くとき、最初に一字空けるのがマナーとされました。 一字空けることで、相手に対する敬意を表したのです。 そこから、文末には「謹空」と書き、以下を空白にして相手に出す習慣が生まれました。 謹空とは「恐れ多いので空白にします」という意味です。 これが、白紙の便箋を一枚添えるように変化したという説です。 
紙の大きさを理由にする説もあります。 便箋は、いわゆるB5と呼ばれるサイズであり、書道でよく用いられる半紙のサイズはB4です。 半紙は一般に紙の大きさの基本とされ、便箋はその半分しかありません。 そこで、半分の紙を一枚入れるのは失礼にあたると考えられるようになり、白紙を一枚追加して半紙一枚に相当させたという説もあります。 こんなお作法に囚われることを思うと、ますますメールの方が楽チンと思われる方もいらっしゃるでしょうが、手書きには手書きの良さがあります。 メールでは伝わらない何かが伝わることでしょう。
石屋のないしょ話でした・・・。