石屋のないしょ話 vol.24

京都に生まれ育った方なら、子供のころ夏休みになると「地蔵盆」を楽しみにしてた方も多いと思います。 今月は「地蔵盆」についてお話します。
京都には「地蔵盆」という仏教行事があり、人々には親しみを込めて「お地蔵さん」と呼ばれています。 むかし大津の三井寺に常照というお坊さまがおられましたが、三十歳の若さで亡くなられ、お坊さまなのに地獄に堕ちられました。 地獄に堕ちて苦しんでおられるお坊さまの前にお地蔵様が姿を現され「お前は小さい時によく私を拝んでくれた。 極楽に行かせることはできないが、もう一度人間界に戻してやるので、世のため人のために役立つ人間になりなさい。」と言われ、お坊さまを生き返らされました。 その日が八月二十四日であり、地蔵盆のいわれとされています。
京都では地蔵尊の縁日にあたるこの日を中心に各町内ごとに行われ、お地蔵さまの顔を絵の具で綺麗にお化粧し、お供え物をあげ、町内の子供の名前を書き入れた提灯を吊り下げてお地蔵さまを祀ります。 そしてお地蔵さまの前で大きな子供も小さな子供も一緒になって遊んだり、大人に混じって車座になり大きな長い数珠をまわしたり、お菓子をもらったり、福引などをして楽しい二日間を過ごします。 大人は子供たちを楽しませるために色々と趣向を凝らします。 子供たちはそんな大人たちの温かい心を子供なりに感じながら、成長し大人となり、またその子供たちへと受け継いでいくのです。 
京都の子供たちはいつもお地蔵さまを身近に感じながら、自然に仏さまの教えに慣れ親しんできました。 ところが最近は子供たちの縦わりの絆を深める地域のコミュニケーションの場である「地蔵盆」も衰退しつつあり、お地蔵さまの存在も希薄になってきているように思われるのが残念でなりません。 今一度、「地蔵盆」が仏教行事であることを確認する必要があるのではないでしょうか・・・? 
石屋のないしょ話でした・・・。