石屋のないしょ話 vol.27

11月に入り、文房具屋さんや印刷屋さんの店頭に「喪中はがき予約承ります」のポスターが目に付くようになりました。 しかしあまり早くから喪中のはがきが来るのはおかしいのです。 今月は「喪中のはがき」についてお話します。
もともと喪中のはがきというのは「当方は現在喪に服しておりますので、新年のご挨拶をご遠慮させていただきます」という意味なのです。 「当方は喪中ですからお祝いの挨拶をしないで下さい」とお断りをしているのではありませんので、作法上は12月13日の事始め以降に出すべきものなのです。 ところが最近では、10月の初め頃から店頭に喪中はがきの受付のポスターが出始め、「相手様が年賀状を書かれないうちにお出し下さい」などの説明がなされているため、多くの方が誤解をなさっているのです。
以前は「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮させていただきます」という文章だけだったのですが、最近は「○月○日の○○が死亡しました」と付け加えられるようになり、住所・氏名・電話番号まで書き添えられているのです。 喪中のはがきは○○が死去したという告知をするためのものではありません。 喪中のはがきは先様に対する気配りとして始まった作法ですが、いつのまにか自分の都合を主張するだけのものに変化してしまいました。 今一度、喪中のはがきを心の問題として考え直し、ゆがめられた作法を修正することも必要なことではないでしょうか・・・。
ちなみに、先様が喪中とは知らず年賀状を出してしまった場合には「存じ上げず失礼致しました。お寂しいことと拝察致しますが、どうぞ御身お大切に・・・」と書かれてお出しになれば、形だけでなく心と心の交流ができると思います。
石屋のないしょ話でした・・・。