石屋のないしょ話 vol.87

今月の五日〜十五日は、真如堂で「十日十夜別時念仏会」が行なわれます。 今月は、お十夜についてお話します。
お十夜とは、浄土宗の寺院で陰暦の十月五日から十四日まで十日十夜におよび行なわれる念仏法要のことです。 真如堂(真正極楽寺)がその起源で、今は十一月五日から始まり、十五日が結願の日です。 足利幕府に仕えた武将、平(伊勢)貞国は永享九年(一四三七)真如堂に参籠し、出家を志しました。 しかし、夢枕にあらわれた僧が三日の猶予を求めました。 そして三日三晩たつと使者が来て、貞国が家督を継ぐことを知らせてきました。 霊夢に感謝した貞国は、その後七日七晩の参籠を行ないました。 このことがお十夜のはじまりで、真如堂が根本道場となったのです。
五日から毎晩「鉦講中」の約二十人が、念仏が唱えられるなか大鉦を叩き鳴らします。 期間中、おおぜいの浄土宗徒が訪れますが、もっとも蝟集するのが結願の十五日です。 この日は朝から念仏と鉦の音が本堂に響き、円仁の作という「うなずきの弥陀」とよばれる本尊の阿弥陀如来像が開帳されます。 このうなずきとは「女人を救いたまえ」と祈願したところ、如来は三度うなずいたという話からの名です。 この阿弥陀像の手に「縁の綱」が結ばれて本堂から外に出されます。 この綱を持つ信徒たちと縁が結ばれるわけです。 さらに、午後二時ごろ貫主や僧侶や講中の人たち、稚児が境内を一周する「お練り」があって、結願法要となります。 参詣者には中風除けの「十夜粥」が授与されます。
石屋のないしょ話でした・・・。